試合中に他人とコミュニケーションをとるために必須なピング。
例えば、自分の対面がいなくなり他のレーンへロームしているときは「mia」ピング(敵を見失った!)。逆にガンクへ向かう際には「on my way」ピング(移動中!)。
このようにピングにはさまざまな用途があり、チャットよりも素早く意図を伝えられます。
しかし、ピングはあくまでプレイヤー個人の判断によって打たれるものです。すべてが正しい情報や有益な指示とは限らず、ときにはノイズになってしまうこともあります。
あなたは「とにかくピングが鳴ったから従おう」と動いてしまった経験はありませんか?けれど、時にそのピングが試合を壊す最大の要因になることもあります。
自分はそういったピングをミュートするときがありますが、どういった基準を設けているのかをまとめれればなと思います。
なぜピングミュートをするのか。そしてその基準とは
そもそもタイトルにあるように、ピングは本来コミュニケーションを円滑にするための重要なツールです。にもかかわらず、なぜそのピングをわざわざミュートする必要があるのでしょうか・・・というわけです。
ピングをミュートするという行為は、言い換えれば「相手とのコミュニケーションの一方的な遮断」を意味します。本来であれば情報共有を助けるはずの機能を切るということは、それだけの理由や基準があるはずです。
その理由というのが2つあって、1つは「自分の集中力がきれてパフォーマンスを落とさないため」。もう一つが「間違った行動を共にしてしまいチーム全体の不利益を被らせないため」です。
それはどういうことなのか、というのを深掘りしたいと思います。
ハラスメント系のスパムピングをする人
※「スパムピング」というのは、必要以上にピングを連打する行為を指します。
こちらは前者の自身のパフォーマンスに影響します。
例えば、自分のミスのせいで集団戦が負けたとしましょう。ただそれだけで試合が終わるような浅いゲームではありません。
しかし、その直後に味方から延々と「?ピング」や「生存中ピング」を連打されるとどうでしょうか。冷静さを取り戻す前に責め立てられ、必要以上に萎縮したり、逆に苛立ってプレイが荒くなったりします。
結果として本来なら巻き返せるはずの場面でも、プレイヤー本人のパフォーマンスが大きく低下してしまうのです。
これはそういった暴言やハラスメントに近いスパムピングを「目撃しただけ」でもパフォーマンスが低下してしまうデータがあるのです。
dpqp.jp. (2018年3月21日). e-sportsにおけるスポーツマンシップの重要性:「暴言は敗北を招く、その科学的な裏付け」. dpqp.jp. https://dpqp.jp/post-5164?utm_source=chatgpt.com (アクセス日: 2025年9月29日)
dpqp.jp(2018)によると、
- 直接暴言を吐かれた人は、処理能力が61%、創造性が58%下がる。
- 自分に対してではないが、自分の所属しているグループに対して暴言を吐かれた人は、処理能力が33%、創造性が39%下がる。
- 他人が暴言を吐かれるのを目撃しただけの人でも、処理能力が25%、創造性が45%下がる。
この現象は、ゲームに限った話ではありません。
職場で同僚が上司に叱られている場面を見たり、公共の場で口論を耳にしたりすると、思わず肩に力が入ったり、気分が落ち込むのと同じ心理的反応が起きます。
同様に、ゲーム内でスパムピングが起こった場合も、少なくとも心理的な負荷がかかるのは間違いありません。そのため、プレイに悪影響が出ると感じた場合は、迷わずミュートをおすすめします。
集中力が切れるような「間違った」スパムピングをする人
こちらもパフォーマンスに当てはまります。
間違ったスパムピング・・・というのは正直、個人の匙加減になります。
例えば、アーリを使ってミッドレーンでキルチャンスが取れる戦いをしているとしましょう。チャームのEスキルを1回でも当てればこちらがキルを取りやすくなる状況。
Rもあって3回ブリンクできるので攻めてもいいけど、もうちょっとダメージトレードをしたいと思っています。
そこで相手のジャングルがこちらへガンクしようとしている際に危険ピングがピンッピンッピンッピンッピンッピンッ!!!と自身の周りに炊かれたとしましょう。
正直うざくないですか? その状況で集中してプレイできますか?
わかってんだわ!俺はRの3回のブリンクを込みで逃げれるし、ぶっちゃけ使わなくてもこの位置は安全なんだわ!って自分は思うことが多々あります。
つまり、ガンクの危険を把握して安全に立ち回れる位置にいるにもかかわらず、味方から「危ない」と判断されるわけです。これって、その味方の判断は間違っていると言えます。
まぁ信用されていないのでしょうが、それでも実際に起こっている情報を元に正しく行動をしているのであれば、あなたが正しいということになります。
もしも、正しい行動をしているのにもかかわらず、ピンピンピンピンと危険ピングを炊かれて集中できないというのであれば、こちらもミュートをしてもいいかもしれません。
デスの多い人のピング
例えばですが、 4/11/3 のジャングラーがバロンへ行こうとピングします。一方で 7/1/13 のミッドがインヒビターを折ろうとピングします。
どっちの指示を聞きたいですか?って話です。
自分は後者のミッドの人の指示を聞きたい派の人間です。
状況によるって言う人がいますが、それは本当にそうでしょうか。
デスが多い人っていうのは、原因がありますよね?
単純に運が悪い場合もありますが、多くの場合はポジション取りや判断のミス、リスク管理の甘さなどが原因でデスを重ねています。そのため、重要な局面で出す指示や判断は、信頼性が低くなってしまってもおかしくはないでしょう。
上記の場面だってそうです。デスの多い人はバロンいける!と思っていても、実際はバロンを狩る速度が遅かったり、相手にテレポート持ちがいて駆け付けられて負けてしまい逆にバロンを取られてしまう・・・。
つまり、先のことを考えず、目の前のことだけに意識が向いているプレイヤーのピングに従っていては、チーム全体に不利益が生じる可能性が高いのです。
間違った判断を複数回している人
デスが少なくても、間違ったコールを繰り返すプレイヤーには注意が必要です。
たとえば、本来はドラゴンを優先すべき場面でバロンを主張したり、相手が撤退しているのに危険な追撃を促したりするケースです。一度の判断ミスであれば仕方ありませんが、それが何度も繰り返されるようなら要注意だと思います。
そのコールに従ってしまうと、結果的にチーム全体が不利益を被る可能性が高いでしょう。
さいごに
ピングは本来、味方同士の連携を助ける大切なツールです。
しかし、ときにはスパムや誤った判断によって逆に集中力を奪われたり、チーム全体に不利益を与えてしまうこともあります。だからこそ大事なのは、「すべてのピングに従う」のではなく、自分の判断基準を持つことです。
ハラスメント的なスパムピング、誤った状況判断に基づく過剰なピング、そして信頼性に欠けるプレイヤーからのピング。これらは必要に応じてミュートする勇気を持つべきでしょう。