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対人ゲームにおけるパフォーマンスは体調や環境の引き算である?

FPSやmobaなどの対人ゲームの自身のパフォーマンスは、どういったものに影響するのかっていうのを考えたことはあるだろうか・・・。

 

多くの人は「上手いか下手か」という結果だけを見がちだが、その裏には無数の「コンディションの揺らぎ」が潜んでいる。

 

パフォーマンスというのは少し複雑な掛け算でできていて、その条件のどれかが欠けてしまうと実力そのものよりも先にパフォーマンスが落ちてしまうと、自分は思っているわけです。

 

  • 学生のときは若さでどうにかなったものの社会人になって仕事から帰ってゲームをすると、なんか調子が悪い
  • 久しぶりにゲームを触ってみると、キー荷重が軽すぎて間違ったキーを押してしまう
  • 半日ぶっ続けでゲームをしていて自分は大丈夫だと思っていたけど明らかに反応が遅い

 

最近の自分ですね。

実力と関係ないところで静かに足を引っ張ってくる瞬間は誰にでもあるでしょう。

 

特に体調なんてものは誰でも分かっているとは思います・・・が、ほかにもそういった要因があるのかといわれるとどうでしょう。

何となく感じていることを説明できる人もいれば、そこまで深く考えていない人、はたまた全く気付かない人もいるのではないか・・・?

 

自分は若いときと比べて、ようやくそういった方面にも気にするようになりました。こういったパフォーマンスを下げてしまう「ノイズの除去」というものは誰にでもできますからね。

新しいテクを覚えることも大事ですけど、悪癖を直す。頭をよくするよりも判断を曇らせる原因を潰す方が早くて簡単なわけです。

まぁせっかくなので今回はそういった絶対的な外的要因ををまとめれたらなと思います。

 

パフォーマンスに影響する要素

体調

まず一つ目は体調ですが、これは言わずとも分かるでしょう。

全然寝れなかった日とちゃんと寝た日では、仕事でも勉強でも身の入り方が違います。

対人ゲームでもまったく同じで、睡眠不足・疲労・空腹・脱水といったコンディションは、真っ先に「判断速度」と「集中力」を奪っていきます

 

「今日はちょっと眠いだけ」

「まあ仕事で少し疲れただけ」

 

この“少し”の積み重ねが、対人ゲームでは確実にパフォーマンスとして表に出ます。

 

特に睡眠不足は、反応速度・視認性・記憶力・意思決定のすべてにマイナスが出ることが研究でも示されていて、対人戦では一番分かりやすく足を引っ張る要素です。

0.1秒を争うFPSの世界はそういった体調の良し悪しで勝敗が左右されるのは自明の理でしょう。lolでもマップがいつもより見れてないという感覚も珍しくありません。

これデータいります?自分でも身に沁みて分かるので不要レベルだと思います。

 

自分の場合は最低でも6時間半の睡眠は確保したいですし、空腹や水分は少し補給すれば問題ありません。疲労に関しても、1〜2戦ごとに小休憩を入れることで一定のパフォーマンスを維持できています。

もちろん体調管理のポイントは人によって違うので、一度自身のパターンを見直してみる価値はあるはずです。

 

pc周りや部屋の環境

二つ目は PC 周りや部屋の環境です。

 

どういうことかというと・・・びっくりしたんですが、世の中には 座椅子でゲームをする人も普通にいます。

昔の某配信者は、うつ伏せでタバコを吸いながらプレイしていたなんて話もあるくらいです。

 

姿勢・疲労・身体負荷という観点で言えば、「ちゃんとした椅子(適切な椅子)を使ったほうが明らかに有利」なのは感覚的にも分かりますよね。

 

人間工学に基づいて設計されたゲーミングチェアやオフィスチェアには、

  • 長時間でも姿勢が崩れにくい
  • 体圧を分散し、腰や背中の負担を減らす

といった利点があるという報告もあります。

 

また、デスク環境もパフォーマンスに関わってきます。

例えば、デスクが狭いせいで大きめのマウスパッドが置けないと、ローセンシ勢は腕を大きく振れずに困るでしょう。

有線ケーブルが散らばっていて、姿勢を正すたびにキャスターでケーブルを踏んでしまう……こんな環境も無駄にストレスを増やします。

 

 

さらに、部屋の温度や湿度も意外と大事です。

 

冬の寒い部屋では手が冷えて明確にパフォーマンスが落ちます。

そこで暖房をつけて温度を上げたとしても、「ちょっと寒いから上着を着る」みたいな対処をすると、今度は上着が邪魔して腕が動かしにくいといったことが普通に起きます。

 

実際、自分も経験しました。

なので、自分は冬でも半袖でいられるくらいの室温がベストだと思っています。

湿度についてはあまり影響を感じませんが、乾燥で咳が出る・目が乾くなど、人によっては体調にも関わるため、軽視はできません。

 

これに関しても、どれだけパフォーマンスに響くかが人によって全然違うので、自分の弱点やこだわりを一度見直してみる価値は十分あります

 

メンタルや疲労

長時間の作業やプレイ、連敗や上手くいかなかったときのメンタル的な問題も無意識にパフォーマンスに影響している案件です。

 

対人ゲームは間違いなくメンタルスポーツで、上手くいかなかったときのtilt(イライラ・焦り・不安)が発生すると、

  • 無駄に攻める
  • リスクを無視する
  • 味方の動きが気になって集中が切れる
  • 勝っているのに雑に死ぬ

など、本来の自分とは違うプレイ”が出るのではないでしょうか。

 

自分の場合は勝てるゲームなのにもかかわらず、味方が勝手に死ぬと嫌な予感がしてそこから自分のパフォーマンスが落ちてしまうみたいな感じですね。特に連敗しているときは敵チームにキルが入るアナウンスを聞くたびに気が滅入ってしまいます。

 

海外では面白いことにlolを題材にした研究テーマもあるんですよね。

選手の心拍や皮膚電気反応(EDA)を計測した研究において、負けた試合やキル・デスなどの重要イベントで生理的ストレス反応が有意に上昇することが報告されているらしいです。

Berga, A., Santos, O. C., & Rodriguez, P. (2023). Measuring arousal and stress physiology on esports, a League of Legends case study. arXiv:2302.14269. https://arxiv.org/abs/2302.14269

自分に当てはまり過ぎですね。

 

そして疲労に関しても、長時間のプレイは自覚はしづらいものの、判断力・注意力の低下を引き起こす可能性があるらしいです。

この脳の疲労っていうのは自分で細かく自覚するのが難しく、 「まだいける」と思っていても、反応速度・視線移動・判断のキレは確実に鈍っていきます。

これもまた興味深いことに、筑波大学の研究では「疲労感の自覚とは無関係に瞳孔収縮が進み、認知機能が落ちていく」という結果も出ています。

筑波大学. (2024年4月2日). 「eスポーツの長時間プレーに伴う自覚しにくい認知疲労を瞳孔収縮から検知」. TSUKUBA JOURNAL. https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20240402140000.html

 

対策として自分が実践していることですが、

  • 「2連敗」または「不快な負け方」をしたら小休憩を挟む。
  • 勝敗関わらず2~4時間の間に休憩を挟む。

この2点を徹底しています。

特に最初に挙げた2連敗や不快な負け方の休憩の挟み方は、意外とティルトを防げたりします。

ほかにもメリットもあります。イライラしたままマッチングへインキューすると、相手側にも同じように負けてイライラしているプレイヤーが同じタイミングでキューを入れている可能性が高く、次の試合でも前回と同じプレイヤーとマッチしてしまうリスクがあります。

しかし、一度休憩を挟むことでマッチングの空気をリセットできる ため、結果として前の試合の悪い流れを断ち切りやすくなるわけです。

 

「うわ~~さっきと同じ奴(フィードしまくった人)がいるわ~~最悪~負け確やわ~~」

ロード画面でこういった「萎え」がなくなるわけですね。

 

対人ゲームは足し算ではなく、引き算の思想?

基本的に「実力を発揮するには何かを足していく」という発想になりがちですが、むしろ引き算の考え方が大事だと思っています。

一般的に言われる足し算とは、知識や反射速度、判断能力といった身体能力や経験値でしょうか。これはスペックを積み上げて強くなるという考え方です。

ただ実践の場で体調不良や疲労によって自身の実力を発揮できないという現象はまったくの別物でパフォーマンスの低下に分類されます。

 

一流のプレイヤーは常に最高の一手を出すというより、最悪のプレイを出さないための仕組みを整えているはずです。つまり、マイナスになる原因を減らすこと。

 

メンタルを盛るより削る方が合理的です。自信を持てというより、焦り・怒り・無駄な期待を削る方がまだ簡単でしょう。

 

冒頭でも言いましたが、新しいテクを覚えるよりも悪癖を直す。頭をよくするよりも判断を鈍らせる要因を潰す方が早いです。

 

これらってすべて引き算の発想だと思うんですよね。

 

対人ゲームのデザイン的にも引き算で勝敗が決まりやすいです。

相手の選択肢を減らす=引き算

自分のミスを減らす=引き算

これが本質的で加点方式に見えて実際は引き算合戦なんですよ。

 

もちろん、これが絶対的に正しいというわけではないですが、説として引き算論は今までの競技理論に噛み合うのではないでしょうか。

 

さいごに

今回挙げたような要因は人それぞれですが、ある程度パフォーマンスへ影響しうるものだと思っています。

 

「体調・環境・認知」が重要な要素になりうるといっても、これらを整えたからといって勝てるわけではありません。

ただ、余計なマイナスを背負わずに本来の実力をそのまま出せるようにする、そのための土台作りに過ぎないのです。

 

自分も負けた試合を振り返ることがありますが、睡眠5時間みたいな明らかにコンディションが悪い日に、普段なら絶対にやっているプレイをやっていなかったりすると、「あれは自分らしくなかったな…」と余計にモヤモヤしてしまいます。

 

だからこそ、最近はこうした面も含めて気を配るようになったんですが、自分のパフォーマンスを守れるのは自分だけなんですよね。

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